- 投資信託のリスクをもっと知りたい
- つみたてNISAを始めたばかりの方
- もっと投資信託に詳しくなりたい方
株には、上場廃止というものがありますよね。
実は、投資信託も廃止となることをご存知でしょうか?
今回は、投資信託の償還についてご説明いたします。

投資信託が抱えるリスクと、回避する方法を伝授します。
投資信託の償還(しょうかん)とは?
投資信託の償還とは、
投資信託の運用期間が終了となり、信託財産の清算を行い、投資家に対して投資口数に応じた償還金を返還することをいいます。
『ふくろう教授の投資ゼミナール』より引用
です。
簡単に言うと、

人気なさすぎて辛いから、もうファンドの運営やめます…
ということです。
「えっ、投資信託にそんなことあり得るの??」と思った方が多いのではないでしょうか。
実はコレ、普通にあります。
償還となるパターンを見ていきましょう。
投資信託が償還となる原因
償還となるパターンは、主に2つが存在します。
- 信託期間がそもそも有限で、満了日となった場合
- 信託期間が無期限だったが、受益権の口数が一定数未満になったので打ち切られた場合
投資信託には必ず「交付目論見書」があり、そこに必ず信託期間が記載されています。
ちなみに、つみたてNISAで設定可能な銘柄の多くは信託期間が無期限です。
そのため現実的には、「受益権の口数が一定数未満になった場合」により償還となる場合が多いのです。

でも、受益権の口数って何のこと?
受益権の口数(くちすう)とは、株で言うところの「発行済み株式数」です。
投資信託の場合は、以下の計算式で表されます。
口数=純資産額÷基準価額
この口数が一定数未満になると、ファンドの運営が難しくなり償還となります。
例えば、純資産額に対する運用コストの比率が高くなりすぎたり、少ない資産額になったことで株を正しく分散投資することができなくなります。

人気がなくなり買い手が少なくなってしまった銘柄は、ファンドにとって旨みがないから強制的に償還となるんだね。

でもお金が戻ってくるなら、心配いらないんじゃないの?
実は、実際に償還された例の大半は損をしていると言われています。
返還金がどのように決定されるか見ていきましょう。
返還金の目安
償還による返還金は、償還日の基準価額で強制的に売却されるようなものだとお考えください。
そのため、返還金の目安は以下の計算式で表されます。
返還金=保有口数×償還日の基準価額

つまり、そのときの時価で返金されるってことだね

そういえば、株で上場廃止の場合は1円も戻ってこないよね
株とは違い、投資信託では一定のお金が返ってくるので、その点は安心と言えます。
しかし、償還は投資家にとってデメリットが大きいので、絶対に避けねばなりません。
なぜ償還は危険なのか?
投資信託において、強制的に売却されることは非常に危険です。
その理由は、投資信託で儲ける手段はドルコスト平均法が基本だからです。
ドルコスト平均法とは、一時的に損をしても、長期間かけて投資し続けることでリスクを最小限に抑えることができる手法となります。
実は、償還の多くは基準価額が安いときに発生してしまうのです。
(まぁ人気のない銘柄ですから、安いのは当然っちゃ当然…)
損益に関係なく強制的に売却されてしまう償還は、絶対に避けなければならないんです!

長期的な投資を考えていたのに、勝手に損切りされたら落ち込む…
ここまで、償還の恐ろしさをご理解いただけたでしょうか?
それでは実際に、過去に償還となった銘柄を見ていきましょう。
償還は、人気が落ちた銘柄で発生する。償還された場合、強制的に売却されてしまう
過去に償還となった銘柄
投資信託の償還は、毎日くらいのペースで起きています。例えば、最近償還となった銘柄は以下です。
- 日本実力株ファンド(リアルエコノミー)
- 米国小型株ツインα(資産成長型)
- 米国・地方公共事業債ファンド
- UBS地球温暖化対応関連株ファンド
- あおぞら・新グローバル分散ファンド
- チャイナ・フロンティアオープン
- ヘルスケア・リート・プラス
- USインフラ株式ファンド
楽天証券で償還となった銘柄は、楽天証券公式HPで確認ができます。
これを見るとあまりに膨大すぎて、他人事じゃないと思ってしまいますよね。
償還されにくい銘柄選定の方法は?
私が個人的に考えた、償還されにくい銘柄の特徴は以下です。
- インデックスファンドであること
- 純資産額が高い(100億円以上)
- 純資産額が増加傾向にある
- 積立設定ランキングで上位にある
これらの条件を満たす銘柄は、比較的安全と見なせるのではないでしょうか。
特に、積立設定ランキングで上位にある場合は、純資産額が増加傾向にあることを示すので積極的に選んでいいと思います。
個人的には、LINE証券で積立設定No.1のiFreeNEXT FANG+がおすすめです。
また、LINE証券は1株単位で購入ができるため、フットワークの軽い投資ができます。

万が一償還が決まっても、すぐに売却して全額を余すことなく投資し直すことが可能だね。
次に、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)を例に、償還リスクを見てみましょう。
償還が決定される口数の条件は、交付目論見書にちゃんと記載されています。
以下の場合等には、信託期間を繰上げて償還となることがあります。
eMAXIS Slimの交付目論見書より引用
・受益権の口数が10億口を下回ることとなった場合

交付目論見書の細かいところまであまり気にしなかったけど、今後は気にしてみよう。
10億口を下回れば償還しますとはっきり書いてありますね。
ちなみに、2020年4月時点で818億口あるため、現時点では非常に安全なファンドであると言えるでしょう。
▼eMAXIS SlimやeMAXIS Neoの純資産額はこちら
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償還されやすい銘柄は?
これは、あくまで個人的な私見です。
過去に償還された銘柄リストを見ていると、やはりテーマ銘柄は償還されやすい傾向にあると思います。
理由は、ブームなど一過性があるため、継続的な人気が得られにくいためだと思います。

人気がなくなったら、人がどんどん抜けてしまうのがテーマ株の悲しいところ!
テーマ株(eMAXIS Neoなど)に投資する場合は、「2030年までに売り抜ける!」など自分ルールを決めておく必要があると思います。
償還と上手く付き合っていこう
投資信託の償還は、避けられない問題です。
リスクを知った上で、上手に付き合っていきましょう!
▼今回参考になった書籍はこちら
▼私達が参考にしている書籍はこちら
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